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心を打つ短い物語や詩がたくさん入っている本です

この章で僕が特に心を打たれた物語を紹介します
 

失敗だって?ちょっと立ち止まっただけさ

 

ものごとをまだ種のうちに見抜けるなら、それを天才という

 

第二次世界大戦後の不況の時代のことです。仕事を見つけるのも容易ではありませんでしたが、夫のボブは借金をして小さな店を買い、ドライクリーニング店を始めました。私たちは、二人の可愛い子どもに恵まれ、建て売りの家と車も手に入れ、ローンを支払いながらもまずまずの生活を送っていました。

 

ところが、あっという間にどん底につき落とされてしまったのです。家のローンを払うどころか、一銭のお金もなくなってしまいました。

 

自分には何の才能もなく、職業訓練も、大学教育も受けたことがないことをつくづく情けなく思いました。

 

でも昔に多少才能を認めてくれた人がいたことを思い出しました。高校時代の英語教師です。先生は私にジャーナリズムの授業をとるように勧めてくれて、学校新聞の広告担当マネージャー兼、特集記事の編集者に指名してくれたのです。

 

その経験を生かして、週に一回出ているこの町の新聞にショッピングの記事を載せ家のローンの足しにする事を思いつきます。

 

新聞社に行ってみる事としましたが、車は売ってしまったし、ガタガタの乳母車の背もたれにクッションを縛り付け、二人の子供を乗せ、車輪がしょっちゅう外れそうになるのを靴のかかとで蹴飛ばし元に戻しながら新聞社まで行きました。

 

しかし不景気だったので新聞社にも仕事はありませんでした。しかしいいアイデアを思いつきました。新聞社から広告紙面を買い取り、おすすめのショッピングと言う記事にしてあちこちの店に切り売りしてもよいかと、もちかけたのです。

 

広告欄を切り売りするアイデアはうまくいき、家のローンを払った上、中古車を買うだけお金を稼ぐ事が出来ました。

 

ところがある日、前から売り込んでいたお客様のところに広告図案を取りに行くと、立て続けに4人から広告の契約を断られました。商工会議所の会頭を務めるドラックストアの店主を契約していないというのがその理由でした。

 

そこでその店主に会いに行きました。彼はこの町のみんなに慕われ尊敬されています。彼の店で広告がとれれば町中の店が取引してくれるようになるのに間違いありません。

 

しかしいつも外出中とか手が離せないとか断れていました

 

その日その店に訪ねてみると、折よく、カウンターにいました。私は精一杯の笑顔を作り、おすすめショッピングの記事を見せながらアピールしました。ところが彼は口をへの字に曲げ、ものも言わずに首を大きく横に降ったのです。

 

意気消沈しているところに、白髪まじりの素敵な女性が声をかけてきました。その女性にこれまでのいきさつを話しました。

「でも皆さんからそれほど信頼されているその店の店主は私の記事を見てくださろうともしないのです」

と言って話を終えました。

その女性は注意深く広告欄を隅々まで目を通しました。見終わるとその店主に声をかけました。

なんとその女性は店主の奥さんだったのです。そしてその広告欄を購入するように言いました。

店主はへの字に結んでいた口元をゆるめ、にっこりと笑いました。

それから奥さんは私の広告を断った4人の店主に電話をかけ、広告を取り直すよう手配してくれました。

後になって知ったのですが、その店主は頼まれれば嫌とは言えないとても気のいい人だったので、

これ以上広告の契約をしないと奥さんに約束されていたのでした。彼にしてみればその約束を守ろうとしていただけでした。

 

それがきっかけに、広告事業は軌道に乗り、今では4箇所にオフィスを持ち、285人の従業員を抱え、常連のお客様は4000名にのぼっています。

 

最後にマリオットホテルの経営者ビルマリオットのとっておきの言葉を贈ります。

 

失敗だって?私はそんな目にあったことはないよ。

ちょっと立ち止まることはあってもね。

 

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